音声ブラウザ専用。こちらより本文へ移動可能です。クリック。

NIKKEI

NIKKEI AD Web

広告申し込みに関するお問い合わせはこちら

English Page


CB Valuatorとは?
ブランド価値ランキング
日経企業イメージ調査
実践コーポレートブランド
日経ブランディング

実践コーポレートブランド

パートII
企業ブランドコミュニケーションの今後への展望

 日本経済社と、ブランドデザイン会社であるエンタープライズIGジャパン社は、お得意先のブランドに関する課題へのソリューション提供を目的として、Team Brand Newというユニットを形成している。Team Brand Newは4月20日に30社を超えるご出席各社を対象として2回目のミニ・ブランドセミナーを開催させていただいた。今回のセミナーは、慶應義塾大学ビジネススクール、嶋口光輝教授に基調講演として「ビューティフル・カンパニーの条件」と題する、企業の社会的責任の変化、推移についてのお話をいただき、日本経済新聞社広告局、横田浩一氏より「コーポレートブランド経営とCSR」そしてTeam Brand Newより、「社内ブランド構築へのソリューションツールとしてのBE指標*1の活用」に関して言及させていただいた。
 多くの企業・団体が潜在的な、あるいは顕在化してすでに取り組んでおられる課題に関しての、重要なインサイドがそのセミナーに含まれているように思われるので、本稿で、その抜粋あるいは内容を解説させていただく。
*1 BE指標 
エンタープライズIGの企業内求心力及び組織課題の現状評価、ソリューションを提供する調査プログラム。北米、EUを中心に500社以上の実施例。

ビューティフル・カンパニーとは?

 今日まで、誰もが認める優良な会社に対して、様々な呼称で、ビジネス誌などが取り上げてきた。近年の例をとっても、1980年代にはピーターズとウォーターマンが当時の成長企業の共通特徴から優良企業を選び、エクセレント・カンパニーと称した。しかしながらそのエクセレント・カンパニーも10年たつと大半は普通の会社となり、注目度は薄れたといえよう。
 1990年代は、ボラスとコリンズにより、より厳密な評価軸により40年以上成長を継続してきた企業を選びだし、ビジョナリー・カンパニーとした。
 21世紀の今、求められている優秀企業を嶋口教授は人々を心豊かにわくわくさせ、道徳的、知的にも社会から尊敬されるような華のある会社と規定する。エクセレントあるいはビジョナリー・カンパニーと重複する部分も多いが、経済以外の社会・文化的行為においても革新的で、社会から尊敬されている「華のある会社」である。
 ビューティフル・カンパニーは、収益性や成長性も求められるが、業界トップの収益やシェアが絶対条件ではない。社会そして生活者に役立ちかつ業績を立派にすることをビューティフルと呼ぶ。
◇ビューティフル・カンパニーの条件
 ビューティフル・カンパニーへの条件とは以下三つの社会に対する責任や貢献により成り立つ。

(1)基本責任の遂行

 人々が支払う対価以上の納得的価値を社会に提供すること。社会や消費者からのニーズに応え、買いたくなるように製品化し、納得価格で提供することが基本条件である。

(2)義務責任の遂行

 ビューティフル・カンパニーの存在する環境は、美しくなければならない。そのため、最低限の義務として社会の法や規則を順守し、仮に法規制の及ばないエリアに対しては、道徳倫理的見地に立ち「不為の原則」にて対処する。

(3)社会への支援責任

 (1)及び(2)の責任を遂行できる企業は、余裕があれば社会にプラスの貢献をする。株主の意向を尊重しながらも、自社の事業ドメインとの一貫性、独自性、社会的必要性などの原則にのっとって社会支援を行う。戦争、環境、不況、不公正など、生活者の心を曇らせる事件の多い中、社会に夢や希望を与えるビューティフル・カンパニーの存在が今本当に望まれると嶋口教授は締めくくった。

コーポレートブランド経営とCSR


図1、図2 CSRの2つの側面

 1980年代より話題となった環境問題、メセナ、ガバナンス等が企業活動に組み込まれたが、それはあくまで付加的であった。21世紀のビジネス/社会環境においては、社会との適合、CSRに関する各アクションが企業としての中核となるであろう。
 以前からの市場における経済価値創造に加え、メセナ、フィランソロピー、環境などを通じ、社会そして個人への貢献が従業員や顧客からの評価を向上させ、競争優位を実現するという考えである。
 CSRに対する意識が従業員、取引先等の間で高まると、不正や事件の発生を事前に防げたり、あるいはフェアな対応が可能となり、また環境保護の意識が生まれ、企業の存続寿命の短縮化を防ぐことができる。また、CSRへの取り組みを対内外へ発信することにより、コーポレートブランドとしての信頼性を高めることもできるだろう(図1、図2)。

企業の変革と社内ブランド求心力

ブランドとは:
 Team Brand Newではブランドを、プロミス即ち各ステークホルダーとの約束と考える。
 ブランドプロミスは、設定する事業ドメイン、競合との差別的優位性、そしてブランドの本来的に有するパーソナリティが反映されなければならない。ブランドはまず社内で共有化され、そして社外へ発信されるべきと考える。

 ブランドが光り輝き、社内外で支持されるためには、
(1)ブランドは魅力的(Compeling)でなければ
● 選択肢の拡大に対応
● 消費者主権
● 情緒的差別化の必要性
(2)そしてそれは事実(Truth)でなければ
● 透明性の増大
● 詮索好きなメディア/大衆
● 従業員・取引先の良心


図3 変革曲線

 ブランドを取り巻く環境、すなわち市場の変化、事業戦略の見直し、合併・吸収、それに伴う社員構成の変化。これらの変化に対処する企業にとって、社員がいかに変化に対応するか、そして初期段階での不安、抵抗をどう求心力に結びつけるかはコーポレートブランディングにとって現実的な問題となる。
 図3の変革曲線のように、ある時会社に変化が生じた場合、新たな方針・環境に対して最初は拒否的な心理が働き、そして徐々に関与(Engagement)をはじめ、その中の一部はコミットメントまで進む。
 Team Brand Newの調査・分析ツール「BE指標」は下記の分野に関して、各社員の調査を実施し、社員のコーポレートブランドへの関与のレベルによって社員を四つのマトリックスに分類する(図4、図5)。


図4 調査分野

図5 BEマトリックス

傍観者とは:
● 会社から距離を置く
● 会社の方針に同意しない
● 今の会社の方針には、自分の考え、価値観から同意できない
● 会社のマネジメント、会社自体に同意できず、社内の遠心力となる
疎遠者とは:
● 実際に、あるいは心の中で辞表を用意
● 意思、努力無しのフリーター感覚
● 会社との愛情のない結婚
● 一部は活性化の可能なグループ
精度の低い大砲とは:
● チャンピオンになる資質に欠ける
● 仕事の目的を明確にする為の上司のサポートがない
● 仕事を進めるために必要なナレッジのアクセスがない
 会社員の約3分の1は該当するが、ほとんどの人間が良い仕事をしたいという意欲がある。
チャンピオンとは:
コミットメント
● 高い帰属意識
● 高い組織認識力
● 仕事への意味の理解
● 会社の課題を自己の課題と促える
理解力
● 自分の意見と、貢献への自信
● 自由な発言力
● アクセスし易く理解ある上司
● 重要ビジネス課題に会社との双方向コミュニケーション


図6 従業員のブランドへの理解は
コミュニケーションへの影響大

 Team Brand Newでは、ブランド構築の中核にブランドプロミスを据える。
 そして、空色の部分は社員に対するタッチポイント、紫色の部分は外部(消費者を中心として)に対するタッチポイントである(図6)。
 BE調査の2003年各社の結果をベンチマーク化すると以下のとおり。


  1. 会社に正の貢献をしている社員は3分の1。3分の2の社員は業績に貢献していないか、あるいは阻害している。
  2. 社員の満足度と業績の間の相関は低い。大切なのはエモーショナルなコミットメントである。
  3. 多くの会社がお客様第一主義を標榜しながら大部分の社員は日常的に顧客と接触する機会が少ない。
  4. 会社は社員とのコミュニケーションができていると意識しているが15%の社員しか円滑にコミュニケーションが機能していないという。
  5. 4割弱の社員しか自社製品やサービスを推奨していない。

結論にかえて

 これからの企業はますます社会との関係の中で夢や希望を与えるビューティフルな会社が望まれる。そういった企業価値は社員の信頼を醸成し、社員のコミットメントを加速し、活力ある会社となるのではないか。
 社内の現状、そして社員の変化への対応を評価するBE調査はそのようなコーポレートブランド価値による求心力の向上には極めて有用なツールと考えられる。

Team Brand New 代表 渡辺 治・佐伯 邦夫

お問い合わせサイトマップENGLISH