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実践コーポレートブランド

コーポレート・ブランディングが企業価値を拡大する

無形資産を大きくする

 先ごろ、敵対的M&Aが話題になり、企業価値を上げるということや、M&Aへの対抗策がにわかにクローズアップされてきました。多くの会社が敵対的M&Aに対しては様々な対抗策を検討しています。しかしそういった対抗策を講じても、敵対的M&Aを防ぐには、やはり基本的には企業価値を上げることが王道です。
 企業価値を上げるということはどのようなことなのでしょうか? 企業価値は時価総額、あるいは時価総額+有利子負債からなりますが、それは工場や土地、建物等の有形資産と、形には表れない無形資産に分けられます。
 今までは良質な有形資産が企業価値の大きな構成要素となってきましたが、これからは無形資産が利益の源泉になってくると考えられています。また、財務指標の一つであるROA(総資産利益率)を上げるということが課題になっていますが、そのためには、分子である利益を大きくしていくか、分母である有形資産を減らしていくことになります。よって有形資産を減らすか、あるいは急激に増大できないなかで、企業価値を上げるためには、無形価値を大きくすることが必要です。
 無形資産を構成する要素は、ブランド、知的財産、人材、ステークホルダーとのネットワークなど様々ですが、その中でも比較的定量化しやすい、ブランドの価値が大きいと考えられています。すなわち、ブランド価値を大きくすることが、無形価値、すなわち企業価値を増大する近道だといえます。

従業員の忠誠心を高める

 どうやってブランドを拡大していくかということですが、社外に向けたブランドを向上させるためにはまずインターナルブランドの確立から実施しなければなりません。特にB2B企業では、消費者に直接触れる最終商品をもたないので、社員が大変重要なタッチポイントになることから、社員の意識改革が重要です。
 現在、企業においては、事業部間・カンパニー間の壁の増大、成果主義による社員の利己的な行動、社員の関心領域の狭さなどが問題になっていますが、すべては一つのブランドのもとにあるという理念を浸透させる「コーポレートブランド経営」を実施、徹底すればそれらは減少できます。そして、社員個々人の、ブランドを向上させる行動が、顧客と事業と株主に対して、その価値を大きくしていきます。
 ある会社で実際に社員にインタビューを行い、従業員満足度の高い人が自分の会社をどう思っているかを聞いた調査では、働き方に満足している人が自分の会社を捉えているイメージで、「経営者が優れている」「活気がある」「成長力がある」「信頼性がある」などが上位にきています。このことから、社員がこのようなイメージを会社にもつと、会社に対するブランドロイヤルティが高まります。
 また、別の会社では、社内への調査の結果、若手社員の会社へのロイヤルティが非常に低く、会社全体への理解度も低いという結果が出ました。社員ですら、「自社のブランドとは何か」がわかっていないことが大きな問題となり、ブランドのプロジェクトを始めるきっかけとなりました。
 そして、社内向けコミュニケーションの実施や、マス媒体を使ったコミュニケーション活動を始めると、社外からと同時に、それを反映した社員からの反応が大変大きかったと聞いています。社外から「いい会社に勤めているね」「貴社の技術力であればこれはできるはず」などと言われることは、社員のモチべーションを高めます。このようにミラー効果を活用した社員の活性化は大変有効です。

CSRが経営のテーマに

 昨今、CSR(企業の社会的責任)が経営のテーマとなってきていますが、CSRを考えることは、社員にとってコーポレートブランドを考えるよいチャンスです。どうしてもブランドというのは、最終商品によってイメージができやすいので、どちらかというとブランド論は「川下」の議論が多かったのですが、CSRを考えることは「その会社が何のためにあるのか」「どうやって社会貢献するのか」「どういうブランドなのか」という「川上」の議論をすることができます。  そして、CSRを考えることは、ブランドリスクを減らし、企業を持続的・長期的に発展させることができます。また、企業イメージの向上、あるいは従業員の士気向上という効果もあります。  このように、企業価値を上げるためには、ブランド価値を上げることが重要です。そして、特にB2B企業においては、その中でもインターナルブランディングが重要で、社員の会社への理解を深め、ロイヤルティを上げて、そこから社外に対してイメージを向上していくことで、ブランド価値を上げるいい循環が生まれてきます。


日本経済新聞社
東京本社広告局業務推進部次長 横田 浩一

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