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中国ビジネスにおける落とし穴とチャンス

ビジネス活動での留意点

 中国は過去3年、世界経済の成長率の3分の1を担ってきました。今年中に世界四位の経済大国になると予測されています。セメント消費量は世界の50%、鉄消費量は25%を占め、石油消費量の伸び率は世界3位です。製造大国・中国はまた、13億人もの人口を抱え巨大な市場に発展する可能性も持っています。


図3 多様な味覚 Diverse tastes

図4 異なる都市部と地方の成長率

 しかし、中国の内情は多様かつ複雑で、簡単に単一の市場としてはとらえきれません(図3、4)。ヨーロッパにある国の数の2倍を超える56の民族が住み、食をはじめ地域ごとに多様な文化が併存しています。都市と地方の経済的な格差の問題もあります。地方住民の年収は都市住民の40%にとどまっているのです。
 富裕層、特に年収1万ドル以上の超富裕層は、北京、広州、上海など沿海部の7都市に集中し、今後は周辺の二次的都市でも増加が見込まれています。年収2500ドルから4000ドルの中流層も同様です。そのため、地方住民の都市流入が続き、交通など都市インフラの能力不足がさらに目立つようになっています。
 こうした中国でのビジネス活動には留意すべき点が幾つかあります。まず、外国ブランドが必ず直面する配送問題。中国の配送インフラは先進各国ほど整備されていません。独自の配送ルート確立には当局との信頼関係構築など多くの努力と時間が必要です。既にルートを確立済みの外国企業や中国企業との提携も選択肢の一つです。
 提携関係を最大活用し、市場に円滑に入った例としてネスティやコカ・コーラ、BPがあります。BPは中国では最大の石油の会社、ペトルタイガーと組み、500以上のガソリンスタンドを建設しました。また、ホンダは広東省の政府と強い関係を築き、50%以上の株式を所有することができました。
 1980年代以降の中国では、外国のブランドは信頼の象徴であり、模倣の対象でした。しかし近年、中国のブランドは急速に力をつけ、海外進出も始まろうとしています。北京で行われた貿易省主催のフォーラムのテーマは「中国が外に出る」でした。政府も積極的に海外進出の手助けをしています。
 また、消費者のブランドを評価する目は厳しくなり、内容が伴わないものは、手痛いしっぺ返しを食らうようになっています。
 中国ではブランドの強さの源泉である企業価値を明確に提示するとともに、生活の中での商品の意味や国民感情などに十分な配慮が必要です。例えばドイツの自動車メーカーが中国で合弁生産しているある車は、全長が通常より10センチメートル長くなっています。この車は中国人にとってステータスシンボルだからです。また、BPは広告で国際的な信頼を得たブランドで中国にはないサービスを提供しますというメッセージでプレミアムガソリンを販売しています。

中国人のプライドとブランド選択


図5 そして国事情を敏感に受け止めよう

 中国人は自分が中国人であることに、強いプライドを持つ国民です(図5)。普段はそれがブランド選定に影響することはありませんが、広告表現などで彼らのナショナリズムを刺激すると敏感に反応します。アメリカ人がカンフーの天才と戦って勝つというウェブ広告は、そのために中止に追い込まれました。
 外国企業の手法として生産国のイメージを活用するのは得策です。車はドイツ、ノート型やデスクトップのPCならアメリカ、テレビやデジカメは日本のブランドが強いです。この1年間で変わったのは、韓国ブランドです。例えば、ソニーと同じレベルの信頼がサムスンにもあるという調査結果が出ています。
 また、小さな活動でも、長期的な効果があった例として、IBMのグッドウィル交流があります。週末にIBMの社員が複数の都市に出かけ、公園や人の集まる場所でPCに関する相談に応じる交流プログラムを開いています。これは非常に好感が持てるものだと高く評価されています。
 中国でのビジネスを成功させるためには、複雑な市場を理解し、状況が激しく変わる中国の国情と消費者のインサイトを深く知ることが今後ますます大切になります。政府や関係当局ともいい関係を築くことも重要です。そして、そのためには経験を積んだブランド大使が欠かせません。

オグルヴィ&メイザー・中国
副会長 ジョセフ・ワン

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