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第1回:『今こそブランド戦略』/グラムコ(株)代表取締役社長 山田敦郎 有識者
コーナー

第1回:『今こそブランド戦略』

リーマンショック後のブランディング

昨年のリーマン・ブラザーズの破綻に始まった世界的な景気低迷は、ブランド戦略の領域にも影を落とすことになった。大手企業も自動車、家電はもちろん、食品や飲料、B2B企業まで、ほぼ全業種で多大の影響を蒙った。グラムコでサポートしていたプロジェクトも、大きな事案ほど予算カットや延期などの憂き目に会ったものだ。
しかし今期下半期になって、大手のブランド関係部署は、予算獲得も含め、来期に向けた準備に動き始めている。そこには、絶えざる活動がブランドを強くする、ブランディングに休閑無し、との担当部署の強い意志や決意が滲んでいるといえるだろう。

その中でとりわけ各社が注力しているのが、「事業ブランド」の強化である。ターゲティングの見直しや商品・サービスの時局に合わせた調整、他との明確な差異化に視点を合わせたブランドのポジショニングの見直しなどで、収益力を確保しようとの思惑である。当然必勝を期して背水の陣で臨むわけだから、失敗は許されない。今日のブランド戦略には、利益追求に直結する精緻なマーケティング戦略が組み合わされることになる。つまり、「儲かるブランド」構築である。

当社もこうした企業側の事情を汲むかたちで、今年度からブランドマーケティングを機軸としたブランドコンサルティング部門(マーケ対応する専門部署)を立ち上げた。

ブランディングは不況対策、不景気対応

ご承知のとおり、米国でコーポレートブランディングが芽生えたのは、1980年代、世界経済の牽引役から一歩退いてしまったレーガン政権の時代だった。双子の赤字で苦しみ、米国の企業業績も悪化の一途を辿っていたころである。
日本でブランディングの口火を切ったのは、バブル崩壊直後の1990年代初頭、金融機関の統合合併であった。そしてその流れがそのまま、消費財メーカーなどへ拡大していくこととなる。
ブランディングはある意味不況対策、不景気対応だったのである。そして2009年、民主党政権下でまだまだ景気回復の暁光が見えづらい中で、本当は「今こそ(実効性の高い)ブランド戦略」なのである。

今年もあと1カ月と少し。安易な安売りで消耗戦に突入している企業には警告しておきたい。くれぐれもブランド価値を消耗しないようにということを。そして、ユニクロのジーンズは安価ではあるけれど、ユニクロにもH&Mにもしっかりしたブランド戦略があることを思い起こしてほしい。


グラムコ(株)代表取締役社長 山田敦郎(やまだ・あつろう)

(略歴)慶應義塾大学法学部卒。総合商社の丸紅を経て87年同社設立。
04年上海・北京に現地法人開設。アジアNo.1のブランディングファームを標榜する。 日本CI会議体幹事。内閣府沖縄美ら島ブランド会議座長ほか。
『ブランド進化論』(中央公論新社)、『探求メジャーブランドへの道』(税務経理協会)、『パワーブランドカンパニー』(東洋経済新報社)、『品牌全視角』(上海人民出版社)など著書多数。



[ 11月19日掲載 ]

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