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第4回:『ブランドはパソコンから携帯へ』/グラムコ(株)代表取締役社長 山田敦郎
第4回:『ブランドはパソコンから携帯へ』

ソニーからサムスンへ、ファストファッションから高級ファッションブランドへ

グラムコ上海が2009年10月に、上海・北京・広州で実施した調査結果によると、「ブランド(品牌)と聞いて即座に想起されるブランド名」では、06年、07年(08年は実施せず)に首位だったソニーが5位に転落し、サムスンがトップに躍り出た(前回調査では8位)。2位はノキアだった。上流中間層(世帯年収12万元以上)、富裕層(世帯年収25万元以上)のいずれにおいても、サムスンとノキアは1位、2位となっている。

さらにルイヴィトンやディオールなどの高級ファッションブランドが台頭してきたのも、09年調査結果の特徴といえるだろう(それぞれ3位、4位)。H&MやZARAなどは日本よりも5年早く中国進出を果たしていたが、今や日本では、これらの廉価ブランドがファストファッションとしてもてはやされている。他方、日本市場に見切りをつけ始めた高級ブランドが、中国市場に猛攻を掛けている。ファッション業界での中高日低を、まざまざと見せつけられる思いだ。

携帯電話がブランドの牽引役に

サムスンもノキアも、携帯電話の分野で圧倒的に強いブランドだ。商品分野別のブランド想起調査結果(下記)でも、全体的に順位が入れ替わるものの、サムスンとノキアは2トップである。日本勢が相次いで撤退した後に、一番遅れてやってきたシャープは、とりわけ女性層に「おしゃれ」「カッコいい」と高い評価を受け、5位に食い込んでいる。

思えば04年に調査を開始したとき、ブランド想起総合では2位IBM、3位hp、5位がソニーだった。いずれも当時パソコンでなじみのあるブランドだった。あれから5年。現在ではブランドを象徴するものが携帯電話、そして高級ファッションブランド、という流れになっているのだ。ということは、ファッション分野はさておき、携帯電話以外の製品も手掛けるサムスンやシャープにとって、携帯電話が中国市場における重要なブランド全体のけん引役ととらえることができるだろう。実際携帯電話購入時の重視ポイントは、1位=機能、2位=デザイン、3位=ブランドとなっている(自動車、OA機器も購入重視ポイントの3位がブランド。パソコン、白モノ家電では2位がブランド、3位がデザインだった)。
サムスンもシャープも、携帯以外に液晶大画面テレビで中国人を魅了している。さらにシャープは、11年から南京で第六世代の液晶パネル生産工場を稼動させることにしている。来月にはソーラーパネルを組み込んだソーラー携帯を市場投入するシャープブランドが、AQUOSと携帯電話をテコにして、中国市場でどこまで躍進するか注目していきたい。
次回は中国市場でのコーポレートブランド構築成功事例をご紹介する。




中国でしか発売されていない
シャープの新モデル(私の私物)

上海・淮海路に続々登場するブランドショップ


グラムコ(株)代表取締役社長 山田敦郎(やまだ・あつろう)

慶大法学部卒。総合商社の丸紅を経て1987年同社設立。2004年上海・北京に現地法人展開。アジアNo.1のブランディングファームを標榜(ひょうぼう)する。日本CI会議体幹事。内閣府沖縄美ら島ブランド会議座長ほか。
『ブランド進化論』(中央公論新社)、『探求メジャーブランドへの道』(税務経理協会)、『パワーブランドカンパニー』(東洋経済新報社)、『品牌全視角』(上海人民出版社)など著書多数。



[ 3月5日掲載 ]

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