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わが家語について/滝村泰史 コーヒー&コピー

ウチでは「わが家語」が流通しています。

わが家語とは、家族にしか意味がわからない言葉。ウチの場合夫婦二人ですが、結婚して15年ちょっと。
その間に、蓄積し、変形し、定着したわが家語がかなりあります。
いまとなっては語源がなんだったのか、思い出せない言葉もあるほど。

最新のわが家語は、「ドゥルン」。
「ちょっとドゥルンする?」とか、「いやあ、ドゥルンドゥルンだねぇ」とか使います。
きっかけは、ウチでいまさらハヤっている再放送の「鬼平犯科帳」。
生粋の江戸っ子で、無類の食通。酸いも甘いも噛み分けた中村吉右衛門=長谷川平蔵が、
勧善懲悪を超えた大人の裁きをする姿に、夫婦で酔いしれています。

で、「ドゥルン」ですが、このドラマ、時代劇なのにエンディングで仏のバンド、
ジプシーキングスの「インスピレイション」なる曲が流れます。
ご存知でない方は、YouTubeでチェックしてほしいのですが、
フラメンコギターの響きが江戸の四季の映像に重なると、むやみにかっこいい。
曲の冒頭、「ドゥルン、ルンルン」という旋律で始まるので、ドラマの余韻に浸るために口ずさんでいたところ、
鬼平の世界観をあらわす言葉として、すっかり定着してしまいました。

「何事もせかせかせず、一杯呑んだ気分で、粋にゆっくりやりましょう」
とそんなニュアンスですが、たとえば近所のおいしいお蕎麦屋さんに出かける時など、
「ドゥルンしますか」と使っています。
いや、それにとどまらず、四十を過ぎた夫婦の衝突を避ける言葉として、
「ドゥルン」は大いに役立ってくれています。
若いころの突き詰めすぎる性格、急いで結論を出したがる性向を
ふっと緩めてくれるのが、この「ドゥルン」という響きなのです。

もうひとつ、ネーミング系ともいえるわが家語もご紹介しましょう。

「あ、親方が騒いでる」

これ、たんにスズメのことなのですが、近所のスズメは栄養状態が良すぎて妙にマルマルしている。
貫録と愛嬌を感じさせるので、あるとき「親方」と名付けました。
この言葉のおかげで、スズメが木にとまっているだけでも、
なんだかほのぼのとしてきます。

世のご家庭の何パーセントがわが家語をお使いかはわかりませんが、
ウチの例でいえば、その効用はかなり大きい。
わが家語をお持ちでない方は、ひとつ作られてはいかがでしょう。

PROFILE/滝村泰史
コピーライター/電通 第3CR局勤務
最近の仕事は、TOTO「トイレットペーパーブック」、
宝くじ「引き換えもれ防止広告」、
森永乳業「イチロー 日々、ビヒダス」、
みずほフィナンシャルグループ「企業広告」など。
ACC金賞、読売広告大賞グランプリ、毎日広告デザイン賞最高賞、
準朝日広告賞、日経広告賞優秀賞、
クリオ広告賞銀賞、ニューヨークフェスティバル金賞ほか。

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[12月26日掲載 ]

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