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広告手帖

企業の人柄を読者に届ける新聞広告
コピーライター 一倉宏氏
Eyepoints

コピーライター 一倉宏氏

――コピーライターを目指したきっかけは?
 私が大学生のころ、コピーライターはまだあまり知られていなかった職業でしたが、自分に向いているのではと直感しました。当時、サントリーには制作部のコピーライター職として新卒の募集があって、運よく入社することができました。試験は「作文」だけでしたね。1年目から小口の新聞広告を作っており、新聞という媒体には思い入れがあります。

――新聞についてどう思いますか?また、新聞広告を手がけるうえで、心がけていることはありますか?
 新聞は、読者に直接届けられる「リアルなメディア」です。ネットの情報は膨大なものですが、主観と客観、虚と実が合い混じって、なにが「リアル」なのか見えにくい。新聞の情報の「リアル」は、いまの時代、ますます重要な価値でしょう。
 私が新聞広告制作において心がけているのも、その「リアル」です。紙面をめくる手をとめて、読んでもらう。そのためには、生活者の視点がなにより大切です。読んでもらうということは、話を聞いてもらうということです。そのとき、企業と生活者は1対1で対峙するのです。どんな相手の、どんな話なら、聞く気持ちになるかを考えます。
 すべての広告は「擬人化」されて伝わるものだと思います。広告には、その企業の人柄が表れます。本気で言っているか。口先だけじゃないか。生活者としての私たちなら、相手の話や態度で見抜きますよね。信頼できるとか、こういう人間なら付き合いたいとか、いい広告とはいい人柄が伝わる広告ではないかと思うのです。

――日本経済新聞や、日本経済新聞に掲載されている広告についてどうお考えですか?
 広告は、経済と深くリンクしています。日経は紙面が経済に詳しく、掲載されている広告もそれ自体が「経済ニュース」として読めますので、いつも注目しています。
 日経に掲載される広告は、やはりユニークですね。いうまでもなく、ビジネスの話が多い(笑い)。一般の広告よりも、突っ込んだ話が聞けるのも興味深い。
 また、日経広告賞の受賞作品を見ていると、企業ブランドをうまく訴求している広告が多いように感じます。ブランドとは、まさに企業の人柄です。広告主もクリエイターもそれをよく理解して、日経の特性を生かしているのでしょう。
 それから、制作者の立場として感想を言いますと、日経は印刷が鮮やかでカラー原稿の再現性が高いと思います。これは、ありがたいですね。

――日経広告賞部門最優秀賞受賞作品のリクルートホールディングスの広告の狙いは何でしょうか?
 この企業の活動は、人の誕生から就職、結婚など、人生の全てに関わっています。それぞれの部門のロゴを並べてみると、よくわかります。「人生はマラソンのようだが、人それぞれ別の生き方がある」ことをテーマとしました。「人生のゴールは1つじゃない」というメッセージを、新聞では大きく2連版を使って、アートディレクターの宮下くんが1つのビジュアルにしてくれました。史上最多の人物群像ではないでしょうか(笑い)。

――これからの新聞広告に期待することは?
 新聞は「リアル」なメディアとして、まだまだ大きな価値があります。特に企業のブランディングにおいては。企業の人柄を伝えるには、新聞の信頼性こそ相性がいいはずです。あとは、アイデアと表現力です。広告主のみなさん、親しまれ信頼される「いい人」になるためには、新聞広告を大いに活用していただきいと思います。

一倉宏氏
コピーライター、クリエイティブ・ディレクター。サントリー、仲畑広告制作所を経て、1990年に独立。
代表作としては、「うまいんだな、これがっ」(サントリーモルツ)、「きれいなおねえさんは、好きですか」(パナソニック)、「あなたと、コンビに」(ファミリーマート)「家に帰れば、積水ハウス」(積水ハウス)など。

[ 4月8日掲載 ]

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