がんばれ! ニッポンの医療2021 −新しい時代の医療体制構築のために−

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最前線の情報発信カギ
利点踏まえ接種を判断

 国内での新型コロナウイルスの感染は、再び拡大基調に転じ、東京都には4度目の緊急事態宣言も発令されました。私たちはこの夏をどう乗り切っていくのか−−。ウイルスとの長い闘いは、一つの正念場を迎えようとしています。ワクチンに詳しい川崎医大の中野貴司教授と、WHO(世界保健機関)の進藤奈邦子シニアアドバイザーは、接種への価値感共有と正しい情報を広く分かりやすく伝えることの必要性を指摘しました。

感染症対策、基本は予防 「かかれば治す」はリスク

川崎医科大学 教授 中野 貴司氏

川崎医科大学 教授 中野 貴司氏

 新型コロナウイルスの感染拡大に際し、日本は、欧米諸国に比べそのペースが比較的穏やかで、ワクチンについてはまず、諸外国での接種の効果や安全性を見極めようとする動きがありました。加えて、医療保険制度の整備された日本では、病気になると多大な負担が発生する諸外国に比べ「病気になったら手厚く治療」という意識が根付いており、ワクチンの開発・接種が急務だった諸外国との間には温度差があったように思います。
 長期での予防効果や多数に接種して初めてわかる副反応など、残念ながら、ワクチン接種には、未解明の部分も多く残っています。
 どんな薬剤でもリスクはゼロではありません。どんな人が発病するのか、重症化するのか、その可能性は年齢など様々な因子に影響されます。
 ただ、感染症対策の基本は予防で、コロナは致命率が高く、発病後の治療には、費用もかかり、個々の対応も異なりがちです。感染症という病気の特徴でもあり、人類は、天然痘やポリオにも、ワクチンによる予防でこれに立ち向かってきました。
 様々な検討が進む中で、ワクチン接種のメリットが高いと専門家集団は結論を出し、それが大規模接種の実現につながっています。たとえ重症化リスクが低くとも後遺障害のリスクがあったり、ワクチンを打たない人の感染率が明確に高くなったりするなど、今後、ワクチンで予防することのメリットは顕在化していくでしょう。
 ただ、「かかったら治す」の日本では、最終的には、自分からリスクテイクしてくださいとしか言いようがありません。それには、共有意思決定(シェアード・ディシジョンメイキング)が必要です。接種してくださいと説得するのではなく、自ら接種の価値感を共有して選択をしていただく。
 予防接種法の改正で集団接種から個別接種に移行した日本で、これだけ大規模、広範囲に接種が行われているのはすごいことです。だからこそ、きちんと自分の判断に納得できるかどうかが重要になってくると思います。

インフォデミック対策 社会の混乱防ぐ

WHO(世界保健機関) シニアアドバイザー進藤 奈邦子氏

WHO(世界保健機関) シニアアドバイザー 進藤 奈邦子氏

 足元は第5波の懸念から一部地域に緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が発せられていますが、世界的に見れば日本のCOVID-19(新型コロナウイルス)感染状況は比較的低調で、疫学的なレスポンスも粘り強く行っています。今後日本は、海外との交流も見据えて新型コロナウイルスと向き合うことになります。
 衛生•感染症に関する教育は非常に重要で、感染症に対する知識の有無は、その国での流行を左右するほどです。その点、日本は一般国民の感染症に対する知識の質が圧倒的に高い。
 今日本の皆さんに必要なのは、日々変化する状況の中で、ワクチン接種も含めた様々な判断の基準となる正しい情報ではないでしょうか。SNSも含めて世間には今、雑多な情報があふれかえっています。コロナ対策の最前線で取り組んでいらっしゃる専門家の方々の議論を直接伺えればいいのですが、そうした方々は寝る間もないお忙しさでしょうし、たとえ、その議論の場に同席できたとしても、飛び交う専門用語は、一般の人にはなかなか馴染みがないでしょう。
 WHOでは、パンデミックと同様にインフォデミック対策を重視しています。インフォデミックとは、インフォメーション(情報)とエピデミック(伝染病)の2つを組み合わせた言葉です。信頼性の高い情報と根拠のない情報が入り交じり、不安や恐怖と共に急激に拡散され、社会に大きな混乱をもたらすことを意味します。
 大手IT企業などの協力も得て、公開討論など専門家の皆さんの見識が広く正しく伝わる機会づくりに取り組んでいます。そこでは、反対意見も議論します。コミュニケーションの専門家にもお手伝いいただき、テレビも新聞も見ないような、情報が届かない可能性がある人たちにまで、正しい情報が届くように努力しています。日本でも、それは可能でしょう。
 信頼される情報源から、サイエンスジャーナリストなど「伝える技術」に秀でた方たちのお力添えもいただいて、最前線の議論をそのままに、かつ分かりやすく伝える。そんな場が日本にもできることを期待しています。

VOICES 医療現場からの声

近森病院(高知県高知市)変異ウイルス 食いとめる意識を

 高知県でのCOVID-19対応は、各地区の中核となる公的医療機関が主に担い、それらで手が及ばなくなった救急医療を、救命救急センターを備える近森病院などが受け持つという体制をとってきた。しかし感染拡大や重症患者の増加に伴い、同院も重症もしくは重症化する可能性の高い中等症患者を受け入れることになり、以降は救急との両輪でフル稼働を続けることになる。
 「今年のゴールデンウイーク明けから6月中旬にかけてが疲労のピークでした」と呼吸器内科と感染症内科部長を兼任する石田正之医師は話す。
 「今は新規感染者も重症患者も減少傾向にあり、私たちもようやく落ち着いてきたところです。しかしこれは下げ止まりの状態で、再度増加傾向に転じる可能性が十分にあると考えられます」
 心配なのが変異ウイルスだ。「重症化や死に至るケースは減っても、感染が収まらない限り新しい変異ウイルスは生まれてしまう。全国的にワクチン接種が進んでいますが、この時期こそ国民一人ひとりがあらためて、ここで感染の広がりを食いとめる意識を持つことが大事です」と訴える。

  • 近森病院
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  • 「毎日、命懸けの使命に感謝しています。感謝だけでは言い切れません。日本の英雄です」

    大阪府 40代・会社員

  • 「メディアを通して皆様の現場での勇姿を拝見し、心からお礼申し上げます。1日も早く、この現状が終息しますように。どうぞご自愛下さいませ」

    大阪府 50代・会社員

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